光熱費の削減や省エネ効果などが期待できるエコキュートには、機種によって様々な便利機能が備わっており、その中の1つに「自動配管洗浄機能」があります。
自動配管洗浄機能は、配管内を自動的に洗浄してくれる機能になりますが、この機能が備わっていれば配管洗浄をしなくても良いのでしょうか?
今回は、自動配管洗浄機能の概要や配管内が汚れてしまう原因、配管洗浄を実施する頻度・やり方について解説しているのでエコキュートの配管洗浄が必要かどうか気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.エコキュートの配管と自動配管洗浄機能について
エコキュートの配管は、貯湯タンクとシャワー・蛇口をつなぐために欠かせないものです。
エコキュートは空気の熱を使ってお湯を作り出しますが、一旦貯湯タンクに貯められ、そこから配管を通じてシャワーや蛇口からお湯が出るようになります。
ここで使用される配管にも、複数種類がありますので、紹介させていただきます。
・ヒートポンプ配管
・給水配管
・給湯配管
・風呂配管(フルオートタイプ専用)
例えばお風呂で給湯をしたい場合、浴槽の給湯ボタンを押すと貯湯タンクに貯められたお湯と水が混合し、適温のお湯になって給湯されます。
また、追い焚きや保温する場合は貯湯タンク内にある熱交換器へお風呂のお湯が運ばれ、熱をもらった状態で再び浴槽に戻るという仕組みなので、給湯で使用される配管と追い焚き・保温時に使用される配管は異なります。
自動配管洗浄機能は、浴槽のお湯を排水する際に自動で約10リットルのお湯を流し、配管に残っている湯水を洗い流す機能です。
配管内に残った湯水から雑菌が繁殖してしまう可能性もあるため、自動配管洗浄機能を使って繁殖を防げるのです。
2.配管の中が汚れてしまう原因
そもそもお湯が通っているのであれば、汚れなどは流れてしまうと思われがちですが、実は、浴槽のお湯が配管内を通っていることが汚れの原因となっています。
浴槽内のお湯は特に人が入浴した後だと皮膚の常在菌や皮脂、汗などで汚れている状態です。
追い焚きや保温を行う場合は汚れたお湯が配管内を通っていくため、湯水が残ってしまうとそこから雑菌が繁殖し、汚れが蓄積してしまうのです。
こうした理由から、自動配管洗浄機能が搭載され、追い焚きや保温をしても湯水が残らないような仕組みになったのです。
3.汚れを放置したらどうなる?
エコキュートの内部はお湯が使われているため暖かく、雑菌が繁殖しやすい環境となっているため、自動配管洗浄機能が付いていないと、配管内に残ってしまった湯水から雑菌が繁殖してしまいます。
雑菌の繁殖は単に汚いというだけでなく、場合によっては健康被害をもたらすこともあるでしょう。
人間の皮膚に存在する常在菌は、健康な時であれば特に問題はないものの、免疫力が低下している場合だと悪影響を受けてしまう可能性があります。
例えばレジオネラ菌は空気感染をする菌なので、免疫力が低下している人が吸い込んでしまうと、席・頭痛・下痢・高熱などを引き起こすと言われています。
また、最悪の場合レジオネラ肺炎を引き起こす危険性もあるため、自動配管洗浄機能は欠かせないものでしょう。
4.配管洗浄の頻度・やり方
自動配管洗浄機能は配管内に湯水が溜まらないようにするための機能ですが、単に湯水を流しているだけなので、汚れがすべて綺麗に落とせているわけではありません。
そのため、エコキュートに自動配管洗浄機能が備わっていたとしても定期的な配管洗浄は必要となります。
ここでは、配管洗浄を行う頻度ややり方についてご紹介しましょう。
【配管洗浄の頻度】
配管洗浄を行うことで、清潔な状態を長持ちできるだけでなく、故障のリスクも低減できるため長持ちしやすくなります。
配管洗浄を行う頻度は、汚れや水に含まれたカルシウムが蓄積しないように、半年に1回程度の実施が推奨されています。
ただし、家庭の使用状況によってはエコキュートの使用頻度も異なるので、お風呂に入る回数や追い焚き・保温する回数が多い場合は、配管洗浄を半年に1回から3~4ヶ月に1回まで増やした方が良いでしょう。
【配管洗浄のやり方】
配管洗浄のやり方は各メーカーや機種によって若干異なるため、あらかじめ説明書を読んでやり方を確認してみましょう。
ここでは、各メーカーにおける配管洗浄の流れについて簡単に紹介します。
Panasonicの場合
①お湯または水を浴槽の循環口から10cm以上の場所まで貯める。
②浴槽に貯まったお湯または水の中に洗浄剤(1つ穴用)を入れる。
③メニューから「洗浄運転」を選び、決定を押す。
④汚れがひどい場合は洗浄運転を繰り返し行う。
⑤浴槽の水をすべて抜き、再び循環口から10cm以上の場所まで水を貯める。
⑥浴槽の水を抜き、浴槽フィルターを掃除する。
ダイキンの場合
①ふろ自動運転を切っておく。
②お湯または水をふろアダプターの10cm以上まで入れる。
③洗浄剤(1つ穴用)を加え、浴室リモコンで配管洗浄ボタンを押す。
④配管洗浄が完了したらお風呂の栓を抜いてすべて排水する。
⑤浴槽に洗浄剤が残っている場合はシャワーなどですすぐ。
⑥再び水をふろアダプターの10cm以上まで入れ、配信洗浄ボタンを押し配管内をすすぐ。
⑦お風呂の栓を抜き、排水を行う。
コロナの場合
①残り湯が浴槽循環口の中心より10cm以上あるか確認する。
②お風呂に洗浄剤を加えて溶かす。
③「さし水」または「ぬるめ」スイッチを3秒以上押すと「配管洗浄」「クリーニング」が表示され、配管洗浄が行われる。
④表示された「配管洗浄」「クリーニング」が消灯したら排水する。
⑤浴槽循環口のカバーを取り外し、歯ブラシなどを使って汚れを落とす。
⑥排水が完了したら浴槽に水がないことを確認し、再度「さし水」または「ぬるめ」を3秒以上押す。
⑦洗浄剤が混じった水が出なくなるまで数回繰り返し、浴槽内の汚れはシャワーなどで洗い流す。
【汚れがひどい場合は業者に依頼するのもオススメ】
汚れが配管内でかなり蓄積していると、いくら配管洗浄を行っても綺麗にできない可能性もありますので、自分一人で解決しようとせず、業者に依頼するようにしましょう。
配管洗浄を取り扱う業者であれば、エコキュートの損傷リスクを最小限に抑えつつ効果的に汚れを除去できます。
専門業者に配管洗浄を依頼する際は、ネットの口コミなども参考にしつつ、業者に配管洗浄の実績がどれだけあるのかを確認しておきましょう。
また、内訳が明確な見積もり書を提出してくれるか、作業後に保証やアフターサポートは備わっているかなどもチェックしておくと安心です。
5.まとめ
今回は、エコキュートの自動配管洗浄機能と自分で行う配管洗浄について紹介させていただきました。
エコキュートの中でも、特にフルオートタイプには自動配管洗浄機能が備わっているケースが多いです。
しかし、いくら自動配管洗浄機能が備わっていたとしても、完全に汚れを綺麗に落とせるわけではありません。
基本的には半年に1回程度の頻度で配管洗浄を行うようにしましょう。
また、もし汚れがひどい場合には専門の業者に依頼してみるのもオススメです。
専門業者に依頼すると、蓄積されてしまった頑固な汚れもしっかりと落としてもらえるので、エコキュートの配管を綺麗にしたい方は業者の利用もぜひ検討してみてください。
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